2017年4月24日 | user01
【ゼミ紹介】(消費者情報・消費者教育)小野由美子
私たち消費者は毎日、モノやサービスにお金を払いながら生活しています。
消費者として生きていくためには知識や技術はもちろん、「これは!」という気づき(センス)や「こうしよう!」という心構えや心がけ(マインド)も大切です。 消費者教育とは、消費者として学ぶべきものは何かを常に問い続ける実践・学問領域といえます。

私たちを取り巻く消費社会は変化を続けています。
このままの生活スタイルを続けていっても大丈夫なのだろうか?
弱い立場にある国々や人々に負担をかけていないのだろうか?
消費者と事業者の間にはどんな情報や資金などの格差があるのだろうか?
消費者教育は単に悪質な事業者に「だまされない」ためだけの勉強ではなく、今ある消費社会のあり方を様々な立場からとらえる力が求められます。

消費者問題は財産(おかね)に関わる問題だけでなく、生命(いのち)や身体(からだ)に関わる安全にも考慮が求められます。
そして、消費者教育は情報を受け取る人々のことを考えて情報や知識を伝えることも重要です。
子ども、生徒・学生、成人、高齢者、何らかの障害のある人もいます。
受け手をイメージしながら、受け取ってほしい内容や方法、伝達のタイミングや頻度、情報量にも工夫が必要なのです。

さて、小野ゼミでは、消費者問題や消費者教育を中心に卒業研究を行っています。
4年生の前期は、広く関連する情報収集や体験を深めるために、昨年度は下記への訪問・参加をしました。

①2016年5月27日 東京都消費生活総合センター 消費者教育講座 参加 
消費者啓発員の方から「若者に多い悪質商法・SNSを介したトラブル事例と対処方法」について講義を頂いたり、展示コーナーや図書資料室をご案内頂きました。図書資料室では卒業研究テーマに関わる書籍を閲覧しました。



●参照:東京都消費生活総合センターFacebook【消費者教育最前線!~大学生編~】2016年6月8日

②2016年6月5日 ローズ祭 出展
「楽しく学ぼう!消費者教育!」と題して、ゼミ生の企画の他に、東京都消費生活総合センターの消費者啓発員の方のお話や、他大学の学生による落語を通して消費者教育の楽しさをお伝えしました。
ゼミ生による企画では児童労働の紹介や、実際にサッカーボールを作る体験を通して、私たち消費者の選択が社会に与えるインパクトについて体験してもらいました。
消費者教育教材であるゲームをして参加者との交流を深めた場面もありました。





③2016年6月29日 (公財)消費者教育支援センター 消費者教育シンポジウム 参加
「消費者教育をデザインする」というテーマで開催されたシンポジウムでは、地方自治体の消費者教育に関する講演や消費者教育教材の表彰式があり、最新の動向を学ぶことができました。

④2016年9月1日~2日 日本消費者教育学会 消費者教育学生セミナー 参加
(独)国民生活センターで開催されたセミナーでは、消費者教育を学ぶために全国から集まった学生に交じって講演を聞いたり、ワークショップに参加しました。

●参照:【校外学習】2016年度消費者教育学生セミナーに参加しました

小野ゼミでは前期に、それぞれが研究テーマを決めるために中間報告などを通して発表を重ねます。
後期は、卒業論文の作成が本格的となりますが、これまでのゼミ生の研究テーマをご紹介すると、下記のようなものがあります。

・高校生のスマートフォンの使用傾向と消費者問題
・女子大生のSNSに関わる消費者トラブル
・若者の美容トラブルの実態
・若者のライフスタイルと消費行動
・消費者の健康食品に関する研究
・食品のアレルギー表示
・食品の期限表示と消費者問題
・女子大生の食品の選択

卒業論文は個別指導が中心となり、取り扱う内容や進み具合も色々です。
個別指導とゼミ全体での発表を織り交ぜながら、仲間同士の情報交換の場を大切にして1月の卒業論文の提出や、2月に実施される卒業研究会を目指します。

これまでに卒業したゼミ生の進路は企業への就職が多いのですが、消費者の視点を忘れることのない企業人として活躍しています。

(文責・写真 小野由美子)