2013年5月14日 | user01
【教員紹介】小野 由美子
 みなさま、こんにちは。2013年4月から現代家政学科にまいりました 小野 由美子(おの ゆみこ)と申します。
「消費者情報論」「プロシューマー調査法」「プロシューマー演習」「コンピュータ演習a・b」「情報処理演習Ⅰ・Ⅱ」などを担当します。
本学には2004年から非常勤講師をしており、引き続き「消費者政策と法」も担当いたします。

「消費者政策と法」での授業風景


 引用:『東京家政学院大学紀要』第52号
「Web版消費者教育読本の活用実践―大学授業における若者の「消費者力」開発―」
(小野由美子・上村協子)

 私の専門は消費者教育および消費生活論ですが、大学と大学院では社会福祉学を専攻しておりましたので、人間福祉学科での担当科目「社会調査法」でお会いする学生の皆さんを拝見する度、何だか懐かしい気がします。
私自身がこれまで仕事として、例えばデータのとりまとめの場面などで困ったこと、工夫したことをお話しするようにしています。

これまでの主な経歴としては、独立行政法人国民生活センターでは調査研究員として調査研究誌『国民生活研究』の編集や、報告書『多重債務問題の現状と対応に関する調査研究』等の調査事業に携わりました。
また消費者庁消費者安全課では2009年9月の発足時から事故情報の解析やデータバンクの構築、そして消費者安全事業などに政策調査員として従事しました。

こうした実務経験を重ねる一方で、東京家政学院大学や横浜国立大学などで、消費生活と情報に関わる分野の非常勤講師を継続してまいりました。様々な場所で、たくさんの方にお世話になりましたことが私の財産だと感謝しています。
以上のような経歴から、学生の皆さんには、例えば次のテーマに関わる具体的なお手伝いができると考えています。

消費者教育:
消費者のライフステージ(幼児、小学生、中学生、高校生、成人等)を考慮した、生活の管理と契約、あるいは情報とメディアに関わる消費者教育のあり方について。

消費者安全:
消費者の生命・身体・財産を守るために、トラブル対応やリスク回避の能力の向上を目指した取り組みについて。

●支援消費者と消費者情報、消費者教育:
家族や支援者の見守りが日常的に必要な消費者(要支援消費者)の生活質が向上するための社会的対応について。

 上記のテーマに興味をもたれた方はぜひお声をかけてください。

 学生の皆さんにお勧めしたいことは、学習したことや身につけた技術は何らかの形で社会に還元してみることです。
 私自身、得たご縁や情報、知識や技術を活かして仲間とともに取り組んでいる活動があります。

●「多重債務者問題からみた社会福祉のあり方研究会」(通称:おたふくけん)●
http://www.otafukuken.org/

 会社等で働く知的障害者の方々を対象に、家計管理を支援するプログラムを検討しています。メンバーには、障害者の生活や就労に携わる支援員の他、ファイナンシャルプランナーや家庭科の高校教員、障害者福祉や消費者教育を専門にする大学教員がいます。
携帯電話や買物を通して生活を振り返り、家計管理の大切さを学ぶことで生活の質を向上して頂くことが大きな目標で、ご本人ご家族、支援者の方々を対象にした講習会も実施しています。
今年2~3月にかけては都内の特別支援学校や、神奈川県や富山県の福祉関連施設や、岩手県盛岡市にあるNPO法人などに伺いました。
講演あるいは授業という形でお話をすることが多いのですが、実は参加された皆さんからご事情をお聞かせ頂くことで、私たちを取り巻く消費環境や当事者の方々の生活課題などを教えてもらうことが多く、またそうした学びは何らかの形でフィードバックをするよう心がけています。

 知的障害のある方に消費生活に関わる情報をお伝えすることは何かと工夫が必要ですが、そうした取組みを調べてみると消費教育を研究する者にとっては「気づき」の連続だったりします。授業ではこうしたお話もご紹介していきたいと思います。